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-そしてMOONEYES入社-
W:そう、ちょうどその頃、前にいた看板屋、すごいよくしてもらったし、よ かったんですけど、ちょうどね、そこどっちかっていうと車両文字をメインに
やってたんですよ、そこ。
S :車両?
W:車両、クルマ。クルマの看板。なんとか工務店とか。トヨタの下請けだった から。で、いろいろやってて、5年くらいやってて、まだ1人前でもなくて。僕も
他のもん描きたいなァなんて思って。車両文字は車両文字でいいんですけどね。 いろんなのやってみたいなァなんて思ってて、そしたらShige-sanからそのお誘
いなんてあっちゃったりして。
S :(笑) これは渡りに船だと。
W:そう。ホントにタイミングがよかったの。その時会社に電話かかってきたん だよ、看板屋に。「はい、石井です」って出たら「今日来れるかな?」っていう
から「元町ですか?なんかあるなら行きますよ」「じゃああとで」って感じで。
S :職場にかかってきたらあせりますね・・。
W:携帯電話もない時代だからね。
S :で、行ったら・・。
W:くっくっく(意味深な笑い)決め台詞。「ピンストライプでさぁ、億万長者 にならない?」
W、S、K :(笑)
S :すごい口説き文句ですねぇ。
W:「億万長者だってなれるよ、まだ誰もやってないからさ」って。でも億万長者は重いなぁって。 S :すごいですねぇ。でも近いとこまでなってますからねぇ。
W:いや、あの時はビックリした。すぐの返事じゃなくていいからって言われて。
K :もう億万長者しか頭に残ってない。(笑)
W:で、結局2週間くらいで決めたのかな。
S :じゃあ結構即決ですね。
W:うん。即決だと思う。で、じゃあよろしくお願いしますって。
S :一番最初の仕事とか覚えてます?
W:一番最初はお客様の荷物の発送やったの。(笑)
S、K :(笑)
W:あとはお店のプライスカード書いた。元町の。まだ商品も少なかったし。 |

かつての MOON Cafe のウィンドウにサインを入れる
WILDMAN |
-集中力の秘密-
S :一番最初にクルマに書いたのはなんだったんですか?
W:ちゃんときちんとひとつの作品として、やったのは黒いクラウンのピック アップ。マジック オブ ザ ブルーってやつ。
S :青い線入ってるピックですか? W:そうそれ。あれを最初にやったの
S :あれの前っていうのは自分のクルマで練習したんですか?
W:うん。スバルが黄色かった頃、あれにも描いてあったし。
S :一番最初って震えます?
W:看板やってたから震えってのはない。震えるって感覚はなかった。 |

マジック オブ ザ ブルー:ブラックのボディーのプレス
ラインに沿ってあざやかなブルーのピンストライプが施されている。最初の作品。 |
S :あれってすごい集中力いるじゃないですか。集中力は昔からあったんですか?
K :石井さんいつもくっちゃべってやってるじゃないですか。
W:手は集中してるんだけどね、頭の中はどこすっとんでるか分からない。
S :え、頭の中はぜんぜん他のこと考えてたりするんですか?
W:そういうこともありますなぁ。あれいくらで買うべきかなぁ、とか。
S :(笑)オークションじゃないですか!
W:そーいや、今五連敗だなぁとか。
S :よく手だけで集中できますね。
W:やっぱり最初は大変だった、と思う。最初からできるわけない。
K :最初にしゃべりながらやってるの見たときはびっくりしましたね。他のピンストライパーでいないじゃないですか。
W:あれはやっぱり人前でやるようになってからだな。ベラベラお客さんとしゃべりながらやってるから。Area-1のデモなんかでも。
S :やっぱりショーに出てから慣れですか。


初期のイベントでお客さんのクルマにピンストライプを入れるWILDMAN
-憧れの人「青木さん」-
S :一番最初にピンストだけでお金もらえるようになったって石井さんですもんね。
W:これだけっていうとそうかもしれないですね。それまでほら、たとえばエア ブラシ屋さんが?片手間にちょっとやってみたりとか?バイク屋さんでもちょっと絵のうまい子がちょっと入れてみたりとか?そういうのは前の時代にももちろ
んあったはず。
S :エアブラシ屋さんでやってた例ってあるんですか?
W:今はもうあれですけど、その昔ブルーオートっていうのがありまして、伝説 の青木さんていう人がいて。
S :へー。
W:その人がエアブラシの日本の第一人者でね。僕が中学校の時それを見てあこ がれて「すっげー」と思ってた。その人もピンストライプやってたんだよ。
S その方は今は?
W:多分もうやってはいないと思うよ
S :もったいないですね・・。 |

WILDMANが今の道に進む興味のきっかけとなった青木氏の
作品。 |
W:あこがれましたよ。それ見て、青木さんのフレアーとか見て、自転車にフレアーとか入れたりしてたんだもん。
S :まじですか?ママチャリですか?
W:いや、あれはね、なんだろう、子供のさ、小さい自転車がそれが昔ね、もう ちょっとかっこいいのがあったの。
S :ズングリムックリしてる奴。
W:そう、フレームが太かったりとか、チェーンカバーがでかかったりして、フ レアー入れて「Sweet Machine」なんて書いちゃって。
S :かっこいいじゃないですか!それ残ってないんですか?
W:残ってない。(笑)で、青木さんの見て、「かっこいいなー。こんな風な仕事 あるんだー」と思って。
S :何色のチャリに何色で描いたんですか?
W:チャリはブルーだったかな。で、チェーンカバーとかメッキだったから余計 かっこよくてそのメッキのところに赤と黄色でフレアーみたいの入れて。
-過去の愛車たち-
S :億万長者になった後なんですけど(笑)いろんなところで書かれてるからあれ なんですけど GT350 は小さい頃から好きだったんですか?
W:うん、マスタングは好きなクルマだったから、マスタング自体が好きだったか ら GT350 がどうだこうだっていうんじゃなくて、マスタングが最初に覚えたこ
ろのクルマだったから、
S :まだムスタングって言ってた時ですね。
W:そうムスタング。それすごい、かっこいい好きなクルマだったから。
S :で、やっぱりコブラが?
W:いや最初はね、Mach1。ほらなんにもわかってないから、でかいエンジンのが 欲しくて。Big Block のね、Cobra
Jet 428 っていうでかいエンジン積んだ69年 式の Mach1 が欲しくて。そんなクルマなかなかなくて、アメリカにも。無くて良かったんだけど、あんなクルマ来てたら税金も払えなくて大変なことになって
たよ。
S :(笑)
W:したらタマタマ、GT350がなんか買えるんじゃないかって値段で出て。
S :結局それは1年くらい乗ったんですか?
W:いや、それは4年半か5年くらい乗ってた。
S :あ、そんなに乗ってたんですか?
W:来たのは、そうそう87年だったのかなぁ。Street Car Nationalsが87年が第1 回だから87年には来てるんだろうなぁ。毎回出てるんだから。で、88、89・・91
年まで乗ってた!5年だ。
S
:そんなに。
W:5年も乗ってたんだ、あのクルマ。ちょいちょい止まってたけど。
S :その前は日本車に乗ってたんですか?
W:うん。日本車も好きだったから。まだ今みたいにワンボックスの時代じゃな かったから、免許とったら5速マニュアルのクルマに乗るっていうのが普通だったからねぇ。で、ちょっと走るやつ?
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'88 ストリート カー ナショナルズ。GT350 と
彼女
※現在の 奥様です。 |
S :箱根とかも行ってたんですか?
W:そう、そういうクルマ。カローラのセダンのGTね、レビンのセダン版のやつ。 同じエンジンのやつね。あれで。TRDの足回りなんか組んじゃって?そう、そう
いうクルマ。
S :へぇーー。
W:へへへ。
S :それにずっと乗ってたんですか?
W:そうそうそうそう。あとは、すぐマスタング。
S :意外に一回乗ったらしばらく乗るタイプなんですね?
W:そう、そうかもしれない。
S :カローラからマスタングに行くじゃないですか。その後は?
S
:カローラからマスタングに行くじゃないですか。その後は? W:スカイラインGT-R。
S :あ、そっか。
W:それとDAIHATSUフェロー360。
S :あー、なんか小さいのと速いの同時に持ちたいんですね。
W:両極端かもしれない。
S :GT-Rは32ですか? |
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W:そう、あれが出ちゃったからビックリしてひっくり返っちゃって。GT-Rが甦っ
ちゃったから。
S :これは買いだろうと?
W:そう、ひっくり返って。
S :そのGT-Rとフェローは一緒に売っちゃったんですか?
W:いや、フェローは維持費かかんないから、動くまでは持ってたけど、ついに息絶えたから、それで処分したっていう。無理やり直すほどの価値もなかったし・・。
S :そうですか?
W:ちょうどGT-R買う買わないって時に息絶えたのかな、あのクルマ。
S :あ、じゃあGT-Rとはあまりかぶってはないんですね。
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ダイハツ フェローとWILDMAN |
W:なかった。
S :GT-Rの時はGT-Rとバイク?
W:そうそう。GT-Rは1台あれば、別にどこでも行けるし。
S :へー。
W:あれはハイパフォーマンスカーだね。どんなに速いかと思ったらあんなに速 かった!
S :僕乗ったことないんですけど、やっぱりあんなに速いんですか?
W:桁違いの速さだった。
S :どっか攻めるとかっていうのも恐くなるくらいですか?
W:ぜんぜん限界が高かったし、あれの限界を出すほどの腕も持ってなかったし。 速くて速くて、ホントハヤカッタ。
S :で、R32にはどれくらい乗ってたんですか?
W:あれは4年かな。
S :で、そのあと・・・ W GT350。 S GT-RからGT350に戻ったきっかけはなんですか?
W:もう散々乗って、嫌いになったわけじゃないけど、もう5年乗ればね、それはそれでいいでしょう、と思って。
S :へー。GT-Rはピンストライプとかは入れてたんですか?
W:ぜんぜん。ホイールをクロームメッキにしただけ
S :会場とかは石井さん、やっぱり自分の車で行くじゃないですか?みんな びっくりしてませんでした?
W:普段は仕事では一切使わないから。あの時はスバル(360)も乗ってたし。
S :GT-Rと360をいっしょに持ってたんですか。
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購入当時のスバル360 |
W:そう。260馬力と20馬力。(笑) スバルはGT-R買う前に持ってたな、たしか。
S :じゃあフェローが死んでから・・。
W:そうそう。それで MOON に入って Shige-san があの黄色いスバルを、お客さんで欲しい人がいるから売っちゃうっていうから「あー、もったいないから僕が
買います」って。 |

色々と手を加えた後のスバル360 |
S :へー。あれって元々あの仕様なんですか?
W:延長とか、あれは僕が、いろいろヘンなことやっちゃって。あんなんなっちゃって。(笑)
-GT350ふたたび-
S :同時にGT350は探してもらってたんですか?
W:いや、あれはある日突然欲しくなっちゃって。思い出したらまた欲しくなっちゃって。なんで思い出したんだろ、急にまた欲しくなっちゃったの。で、今回は自分で探そうと思ってたから。
S :あー、そうなんですか。日本でですか?
W:日本にあった、あのクルマ。未登録だったからね、3年車検とれたけど。
S :え?未登録だったんですか?
W:いや、ほら並行輸入で入ってきてたから。誰も買ってなかったんだよ、あんな クルマ。
S :あのフィーリングが忘れられなかったんですかね?
W:やっぱりあの形、65、6年のあの形が欲しかったから。前乗ってたのは68年 だったから、どうしても、やっぱりマスタングと言えば。
S :じゃあ自分の思いが成就されてなかったから・・。
W:で、前に乗ってたのがオートマチックだったの。
S :あー。
W:やっぱりマニュアル乗りたかったんだよね。
S :でも、なんかすごい重いらしいですね、クラッチ。体浮いちゃうとか。
W:へへへ。まあアメ車なんて、みんなあんなもんだろうけど。モモ、つったことあるし。
S :(笑)今はどうなんですか?
W:今はもう全然平気。慣れっていうのは恐ろしいもんで。力ついたのかなぁ。ぜんぜんもう、あれ乗ってて足がどうこうっていうのは。人間て慣れるもんだ
なーって思って。
S
:今はじゃあもう、あの2台で満足してるんですか?
W:うん。クルマに関してはあれでぜんぜん。
S :また急にR32に乗りたくなったりして。
W:それはないでしょ。
S :あれはあれで成就されて。
W:あれはあれで。
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ムーンアイズ ミートにて |
・・・・・・・・・ To Be continued
このインタビューの前半では石井氏のバックグラウンドを主に取りあげてみた。 Wildman のピンストライプ、デザインから伝わってくる温もりと優しさは機械
やミニカーなどのモチーフそのものへの愛情から滲み出ているもののようだ。奇をてらったデザインより伝統的なものが好き、という彼のポリシーと相まって、
誰からも支持される曲線が生まれるのだろう。次回はさらに氏の作品に影響を与えたと思われる趣味の分野と、エドロスとの関係に触れてみたいと思う。
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