ここの所、左ハンドルづいておりますMoon Garageに今度は1970年型の「MS55Lクラウン・デラックス」が入庫してまいりました。 とってもオリジナル度が高い車両で、殆ど何もしないまま普通に使って40年の月日が経ってしまったという感じで、特に内装はとっても素晴らしいコンディションなのであります。エンジンも6気筒2,2リッターですよ。 アメリカからやって来た帰国子女のクラウンにご興味のある方はぜひ本牧まで足を運んで頂き、実車を確認して下さいませ。
そしてこちらは最近我がコレクションに加わった英国はCorgi Toys製のビンテージ・ミニカーであるロールス・ロイス シルバーシャドウであります。
英国製ミニカー黄金時代の最後を飾るモデルの一つで、センスの良いツートンの塗装が素晴らしいミュリナー・ボディー製2ドアーのロールスは驚異のアクションを備えておりました。 「ゴールデン・ジャッキ」と命名されたこのシリーズはホイールの脱着アクションを持っていて、シャシーに装着されたゴールドのレバー(ゴールデン・ジャッキ)を引っ張るとホイールが外れてスペアタイヤと交換出来るという子供にとって大変魅力的なアクションを備えておりました。 1970年から約1年間の製造期間しかなく、大量生産を誇った当時のCorgi Toysの中では少なめの180,000台という生産で終わっています。
で、帰国子女とCorgiのロールスの思い出といえば、キタニ君なのであります。 また何を言っているのかさっぱりわからないでしょうが、全くついこの前である1975年、小学5年生の時に突然転校して来たのが帰国子女のキタニ君なのでありました。
担任の先生が「イギリスから転校してきた、キタニ君は帰国子女です」と紹介されましたが、少年Wildman含むアホな4組の面々は「一体何なんだ、帰国子女って、だってあいつ男じゃん」とザワつき始めます。
フィンガー5のボーカリスト、アキラ君のサングラス並みにデカイ眼鏡を掛けたのび太君顔のキタニ君は突然カタコトの日本語で「ハジメマシテ、キタニデス」と自己紹介したと思ったら今度はMy Name is〜と流暢な英語でペラペラとしゃべりだし、黒板にチョークでスラスラと筆記体の英語を書き始め、4組の面々はあっけにとられておりましたが、少年Wildmanは一人筆記体の美しさに感動しておりました・・・・
キタニ君はお父様の仕事の都合で殆どイギリスで育ったそうで、日本語はあまり得意でなくヘンテコ発音でしたが、完璧な英語を話せたので、まるでクラスに外国人が転校してきたような感じでした。
1975年といえば、少年Wildmanがミニカーをオモチャとしてではなく、コレクションとして認識するようになり、現在まで36年に渡り世捨て人としてコレクター生活を送っていますが、そのスタートととなった記念すべき年なのであります。
「これは便利なヤツが転校してきたぞ!!」と思ったのは言うまでもありません。 なんたって外国製ミニカーのシャシーやパッケージにはローマ字読みしか出来ない少年Wildmanには全く難解である英語がいっぱい書いてありました。 それらミニカーに刻まれた英語の数々をキタニ君に読んでもらって意味を知るという素晴らしい事を思いついたのです。
「Made in West Germanyって何?」と聞けば、「コレハ西ドイツデツクラレタモノダネ」「With Windowsって??」と聞けば「ガラスガツイテイルッテコトダヨ」「Fire Engineって???」と聞けば「ショウボウシャダヨ」とナゾナゾのような会話が成立し色んなナゾが解けて行く毎日となりました、全く嬉しいぜ!!
そんな人間自動翻訳機が備わり、コレクションに弾みがつくようになりましたが、ある日友達数人とキタニ君の家に遊びに行く事になりました。 我が家とは全く違う英国調の調度品が備わるキタニ君の家の広いリビングに通され、ジュースなんぞを御馳走してもらっていると、彼が自分のミニカーを見せてあげると言って何台か持ってきてくれました。 その中に先程説明したCorgi Toys製のロールス・ロイスが入っていたのです。
「ゲッ、これは絶版モデルのコーギーじゃん!!!何でこんな素敵な物を持ってるの??」 と羨望のまなざしでキタニ君に聞くと、 「コレハイギリスニイタコロ、ロンドンノデパートデカッテモラッタヨ」 と説明してくれました。
「ロンドンのデパートだって、何かすげえぜ、きっと2万台くらいミニカーを売ってるんだろうな・・・こっちはせいぜい横浜高島屋か伊勢佐木町のオモチャのマリヤで買うくらいなのに・・・」と格差を感じました。
しかもですよオリジナル箱に入ったままのミント状態で保存していたことに深い感銘を受けた少年Wildmanは以後「ミニカーの箱は必ず保存する」と心に誓い、ますます変態道に深くはまっていったのです。
その後、キタニ君は6年生の途中で、またもやお父様のお仕事の都合でどこか遠くへ引っ越してしまい、少年Wildmanがこよなく愛した翻訳機付きの友人とはお別れとなってしまいました、全く悲しいぜ・・・・
あの時見せてもらったロールスと同じ物が36年後にやっと手元にやって来ましたがこれを見るとあのヘンテコ発音の日本語で、のび太君顔の帰国子女であるキタニ君の事が思い出されます。 本当についこの前のことなのですが・・・
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