タイムリーなスタートの話題でもないのでお暇でしたらお付き合いください。「成人」というワードに対して、ニュースなどで18歳に引き下げようという話題や、意地悪な大人達が意図して編集したかのような「お祭り成人式」のニュースは、僕自身は全く興味がありません。
人それぞれ積み重ねてきた事なんてバラバラですから、変に全体を区切ったり、ルールを作っても、その事によって歪んできたり、本来守られないといけない事がスルーされそうな気がしていました。ですが、先日たまたま村上春樹さんの「30歳成人説」や田口ランディさんの「29歳変動説」という考え方を知った時、短い文章なのに、じわじわと心に響いていました。それぞれ引用はしませんが、ぬぉ〜!!!!!! ってなりました。不思議とその言葉に思い当たるんですよ……..。
「やりたい事をやる」という事だったり、「人生の転機」について、そういう考え方が存在していた事も知りませんでした。まだまだ世の中知らない事ばかりです。押し付けかもしれませんが、よっぽどこのような考え方をニュースで紹介された方が若い人達に対しても励みになると思います。
そんな話を昨日、同期であり同じ「MQQNEYES Shy(人見知り) Division(架空の部署です)」の田島くんと味噌ラーメンのもやしを食べながら話しておりました。まぁ田島くんは何も聞いていないと思いますがそれでいいんです。「オレ味噌ラーメン好きかもしんないっす」って純度100%の無意味な発言していましたし。ただそれが良いんです。お互い口数少ない人間が好き勝手に話す。仕事終わりの贅沢です。
2週間ぶりの更新ですね。先週、USA出張より日本に帰ってまいりまして、そこから国内のイベントに参加したり観に行ったり、2017年にゴール設定しているあんな事、こんな事の打ち合わせを重ねたりで相も変わらずバタバタしておりました。
USA出張では、 NHRA Winternationals 観戦を体験してきました。開催中に会場内を何十周も廻り、Funny Car, Top Fuel のナイトロの排気を胸いっぱい至近距離で吸い込む。耳栓をせずにダイレクトに音の波動を感じる。Race をファンの人達と一緒に観る。これが何よりの自分自身の財産となりました。
Top Fuel, Funny Car のRace Car がスタートして、僕が観戦していた1,000フィート(304.8m)地点を通過する時には時速320マイル以上出ています。4秒以下の時間で時速500キロ超えまで到達しているなんて例え話も作れない世界でした。まだまだ世の中知らない事ばかりです。まだまだ青いですよ僕は。
そう!! そして来週の月曜日に Fly Wheels Magazine が全国の書店で発売となります。
今回は、昨年Blogでも書きました我が師匠 Zap Teshima と撮影を行ったUSAで開催された Xmas Party の模様が巻頭特集で紹介されております。是非是非ご購入ください。そしてもう一つ。 Motorcycle の特写ページにて同部署 MQQN Space Agency (こっちは実在の部署です)の 「流し目の”Ossar” 小山内」のトライアンフチョッパーも紹介されており、そちらも撮影をさせて頂きました。
3年前の2月。
当時、片腕どころか両腕だった同部署の仲間が会社を去り正直、寂しさと申し訳なさで精神的にまいっている時に入社してきたのが小山内君でした。
とにかく外見も心も静かな第一印象で「大丈夫かな?もう仲間を失うのは怖いな……」と思っていましたが、高野豆腐がグングン出汁を吸うように仕事を覚えていったのが彼でした。年に何回か訪れる修羅場Weekでも、冷静沈着にこなすんですよ Ossar は。僕がほら?アレがアレなもんですからね。何度助けられたか。
彼は、最初千葉から電車とバスで根性で通勤して、軽トラ何往復もして自力で横浜に引っ越してきてバス通勤になり…….。一台の中古の原チャリで通い始め、免許を取りに行き始め、国産バイクを手に入れ、そしていつの間にかベースとなったトライアンフを増車して乗っていました。
ここまで読まれて「環境が良かっただけでしょ」と思った方、はっきり断言します、違います。
確かに僕以外の先輩達や会社に恵まれチャンスが多かったのは事実かもしれません。ただ、そのチャンスを掴んでいけるのかは本人次第ですからね。彼は寡黙に確実に進んでいったんですよ。冒頭にも書きましたが「やりたい事をやる」に関して、年齢なんて関係ないと思います。やる為に何をしたかの方が大切じゃないですか?彼は、やったんすよ。
去年 Yokohama Hot Rod Custom Show(以下HCS) の Motorcycle Spotlight が Triumph に決定した時、まさか彼が参戦するとは思いもしませんでした。トライアンフを購入しただけで金銭的にもギリギリだと思っていましたし。それが Full Modified してエントリーするって話になり、僕からしたら「マジか……大丈夫か」と。それから昼休みは毎日毎日Triumphの調べ物をして、ちょっとした時間が出来るとCustom を全面的に担当した IM Factory さんに行ってエンジン磨きなど自分で出来る事を睡眠を削ってしていました。凄まじい集中力でした。いやちゃんと仕事も手を抜かずにです。
そしてHCS当日、Kid Rocker, Sumiya-sanと並んでピカピカの彼のトライアンフが並んでいました。カッコ良くて痺れましたよ。自分のクルマが展示されているより嬉しかったです。同じ部署の一番近い仲間が「やりたい事をやり遂げた」のですから。
そして2017年になり、彼のトライアンフの取材が決まりました。僕が彼の為に出来る事と言えば魂を込めてシャッターボタンを押す事くらいしか出来ませんからね。いつも彼に迷惑かけてますし「ここで頑張らないでいつ頑張るんだ俺は」って気持ちを撮影数日前から高めていました。
ただ「Show Name どうすんの?」って質問だけには「いや….まだ……」って繰り返していました。僕らがふざけて「天王町ブルース(彼の住んでいる町名です)」とか「オサイアンフ」と言ってもしっくりきませんし、当然彼も首を縦にふりません。
そんな彼が「Show Name を Appleknocker にしようと思ってまして……..」と静かに話し始めました。「意味は…..」って彼から聞いた時の衝撃は忘れられません。僕が歌丸師匠だったら座布団100枚重ねて小山内君に送りますよ。正解は Fly Wheels Magazine を読んでみてください。折角なので今回はFly Wheels で掲載されなかった写真をアップします。
いや〜、僕は恵まれていますね。こんな仲間達と仕事が出来ていますから。
Appleknockerか………..そういえば、僕も純度100%でした。
俺たちゃ Appleknocker!!
後輩の活躍に便乗して締めようと思います。
追伸:
Fly Wheels Magazine 及川編集長様
ご退院おめでとうございます。おかえりなさいませ。
もう何年も前になりますが僕に「仕事」として撮影を依頼してくれたのは及川さんが初めてでした。
無茶振りは怖いですが、これからもよろしくお願い致します。