Monologue

なんも無いすデイ! Have a nice day!


ご無沙汰しております。スミです。

MOONEYES USAでオープンハウスを開催した先々週、僕は、ひっそりとリフレッシュ休暇というモノをいただいておりました。年に一回もしくは二回、MOONEYES スタッフが長期連休を取る事が出来るシステムでして、つくづく恵まれてる環境だと思います。

とは言いつつ、この時期は一年の後半戦に向けて仕込みの大切な時期でもあるので、予定には入っているものの特に休むつもりもありませんでした。気がつけば、休暇予定の日に何かしらの仕事がサクサク入っていきます。有難い事なので出社するつもりでしたが、Shige-san より「休める時に休むように」とお言葉をいただき、お休みを頂きました。

リフレッシュ休暇前日の夜、初めて家内に明日から休む旨を伝え、翌日。

まぁいきなり直前に言われても当然家内にも予定があります。それは十分理解しています。この十何年間、休みがあったとしても外出したり旅行だったり何かしらの予定を入れていましたが今回は全くノープラン。宙ぶらりんな進行状態の仕事も抱えているので何かあったらすぐに出社するつもりでしたのであまり動きたくはない。

ゴロゴロするのは簡単なんですが、それじゃ嫌だし家族にとっても、そんな存在が家に居たら僕以上に嫌でしょう。かといって色々なお店に顔を出したり人に会うのも、ここしばらくずっと何かしらに追われ、疲れている部分もあるのか躊躇う気持ちもありました。

よし、ここから数日なんも考えない、無心で過ごそう。なんも無いす。ナンモナイスデイ!!

一日目。

早朝から、自宅の壁、玄関、駐車スペースを高圧洗浄機でひたすら洗い、雑草をかきむしる。無心ですよ無心。

いやぁ地味だな〜。引くくらい何一つ華がない…地味係数というモノがあれば、だいぶ高い数値を叩き出す中身ゼロのハナシです。が、反面、自身は気持ちが晴れやかになってきていました。良し!この勢いでペンキ塗りをしよう。昨年、念願のボードフェンスを自宅に施工したのですが、フェンス部分は自分でペンキ塗りをしましたけど、下部のブロック部分がそのままでした。真っ白に塗ろう、今なら時間もあるしヤル気スイッチも連打出来る。

昨年の余りの油性ペンキと刷毛で地べたに座り込みながら、これまた地味に一人黙々とペンキ塗り。ちょっと進んだらズリズリお尻を移動しながらひたすらペンキ塗りに没頭。途中途中で、休憩の為、家内が差し入れてくれた冷たい麦茶やコーヒーが美味い!そういえば小さい時ペンキ塗りの職人さんに憧れてたなぁ。職人さんたちがお昼のお弁当食べてる時、仲間に入れてもらってたなぁ。地べたから見上げた白いボードフェンスを見て、ふとある事を思い始めました。

この真っ白なボードフェンスに何かしよう!なんかドーンと。近所の人達も通るから、なんか挨拶的な脳天気な爽やかな何か。ブロックのペンキ塗りが終わってから、今度はボードフェンスにペイントを入れたい範囲の大きさを測定。高さ1メートルの幅7メートルぐらい。おぉ〜デケ〜し〜、楽しそうだし〜、ペンキまみれでテンションも地味にMAXです。当の然で、ボードフェンスにペイントなんてやった事なんてあるわけありません。ただ、昨年末、Hot Rod Custom Show で展示したBig Size Dice Key Ring を自宅で制作した時の細い筆が一本ある! あの時だって作っている時は、大変な事になったと思いながら、結局はなんだかんだ楽しかった!
《2018年11月の思い出》

こうなったら勢いで、今度はざっくり簡単なイメージを作って暗くなるのを待ちます。そこからOHPの投影機をぶっつけ本番で使い、下書きを始めます。ここでご近所さんの営業スタッフ田島君が仕事終わりに来訪。蟻地獄のように作業へ引きづり込みます。ここから田島君と、「大きい! いや小さいのかな? 曲がってる! 曲がってないか? もうちょい上! いや下だったり! 右?かと思ったら左! 」…..なんせ上下左右真逆に動く投影機に苦戦。今思うとここの部分一人じゃなくて良かった! 一人でやってたら完全に不審者、且つ心も折れてました。この先の工程もボリュームも全く考える事もせず、まずは下書きが完了、一日目の休日終了。

休日二日目。
今日もペンキまみれのエプロンをして、コーヒー片手に朝6時半過ぎ現場入り(自宅)。

いよいよペイント開始。色が薄い部分から塗った方が良いのか、それとも濃い部分から塗った方が良いのか。初めてだから正解なんて知るはずもない。まずは一番、長丁場で飽きそうなシャドウの部分から塗り始めます。

野菜から食べる!みたいなもんかと一人ブツブツ色塗り。全く筆の使い方がわからない。あれ?思いの外時間がかかる。一文字目で一時間以上。

ここで初めて7m先までの文字数を数えてみる….おぉ〜大変な事になったな〜いや考えない….飽きたらやめちゃえばいい。とにかく無心。立ちながら…座りながら….ちょっとスカしたポーズを取りながら。ちょっとずつ自分なりの「筆の使い方ルールブック」を頭の中で書き加えていく。薄いベージュの壁に、薄いグレーを塗る….何一つインパクトがないような気がしてならないけど自分を信じるしかない。とりあえず没頭、6時間ぶっ通し。

午後、初めて離れたところから見渡してみる。遂にシャドウ部分が完了、完成、感無量。一番地味な部分やったったぞ! 充実感が半端なく湧き上がってきます。トウモロコシをカブりつきたいのをひたすら我慢し、一粒一粒ずつ一本丸ごとネジリ取った気分。

もう、これだけで、なんとなく読めるじゃん! 嬉しくてたまりません。ガレージで食べる家内が作ってくれたお弁当が美味い!!

ここからようやく、色付け。一番美味しい部分、一番楽しみにしていた部分、生姜焼き定食で言えばタレと肉のエキスが染み込んだ白米の部分。後先考えずに適当にペンキで色を作る。さぁ行くぞ!って時に、まさかの雨….二日目終了。

三日目も朝から雨。そう、今年は本当にザ・梅雨。もう…普段、天気の事はあまり気にしませんけど、今回ばっかりは、マジです。雨雲レーダーのアプリを入れ、あとどれくらいの時間で雨が止むのかガレージの中で他の事をしながら待機。

雨が止んだら外に飛び出してフェンスから水分を拭き取る。ペンキ塗り再開、雨が降る、待機、止む、再開、暗くなる、夜の部に突入。身体はクタクタになってきますが、なんせ楽しいんだから気になりません。

4日目。お休みはまだ続きますが、雨雲レーダーを見ても、週間天気予報を見ても今日終わらせないとアウト。さすがに3日間、筆を使い続けていると、僕のような初心者でも筆をどう進めればどうペンキが乗ってくるか身体で少しずつ覚えていきます。

入社13年、MOONEYES のカタログに載っている筆「カザンライナー」がなんであの穂先、あの柔らかさになっているのかがようやくわかりましたよ!! あの筆だったら、ここがキュってコントロール出来るな絶対。ホームセンターで300円しなかった細い筆一本で、幅7mのペイントは無謀だった事に気がつきました。休み前にArea-1で買っておけばよかったです。

そう、一人ひたすら何かに没頭したいと思って始めたこの作業、思いもよらぬ良い事がありました。引っ越しをしてきて早4年、普段なかなか自宅に長い時間滞在する事はないですし、根も暗いので、ご近所付き合いは、ほぼ会釈程度の人ばかりでしたが、連日ペンキまみれでペイントをしていると、一言、また一言と沢山の人が笑顔で声をかけてくれました。小さい子供たちからご近所の奥様達、通りすがりのお爺さん、ペンキ塗りをお仕事にしている方からアドバイスまで。普段自宅付近で話しかけられる事なんかあまりないのですが、不思議なものです。

最後は、雨でも続行、ペンキが垂れてこようが滲んでこようがお構いなしで終了!

2019年はここまで。ゴールなんか決めてなかったんでこれで良いです。満足です。続きはまた来年! 次回は絶対カザンライナー買って文字の縁取りを始めよう。筆は大事だ!!痛感しました。2020年は、あそこをこうしてここをこうして、外灯工事をして…..まだまだやりたい事沢山です。

何も予定を入れない、こんな休日の過ごし方初めてでしたが、意外にもリフレッシュ出来ました。お休み有難うございました。

さぁあと数日で、初めてのマレーシア出張です。既に僕の Falcon “Pantastic” はマレーシアに到着しています。現地で皆さんにお配りするハンドアウト(フライヤー)も完成致しました。楽しみです。

実は雨でペンキ塗りを中断している時間で、もう一つやりたかった事をしていました。

一度自分のクルマをArtworkに起こしてみたかったんです。そしてそれをあるモノを作ってみたい。

Artworkに起こすという行為は、普段自分の業務の一つでもあるので全く問題ないです。ただ、なんせ自分のクルマの事は先日のブログでも書きましたが、相当照れます。なぜか照れる。我にかえると照れる。だからなるべく一人の時が良い。今しかない。

で、こちらの作業の方は結局、休暇中に終わらず、間に合わなかったか〜と諦めていましたが、先日の通常のお休みの日を使ってもう一踏ん張り。

ギリギリのギリで完成。じゃーん。

Pantastick スケートボードデッキ。

誰も求めないでしょうが、世界に一本です。このデッキをマレーシアで開催する Art of Speed 2019 (以下AOS2019) MOONEYES Award の方にプレゼントしたいと考えています。

普段、イベントを主催する側のスタッフとして感じるのは、数え切れないほど沢山の人達がいつもイベントに協力してくれて、盛り上げてくれて、いつだって笑顔で助けてくれます。本当に毎回、毎回感謝の気持ちしかありません。

今回、こんな貴重な体験をさせてくれる AOS2019 に対して、何かお礼というか、自分で出来る事、ほんの少しでもイベントを盛り上げたいという気持ちから今回このデッキを制作してみました。椅子としても使えます。MOONEYES Award を受賞された方が喜んで貰えると僕も嬉しいですね。


それにしても今回のブログ、会社の広報的なハナシゼロでしたね。

が、多分、Shige-san も許してくれるでしょう!

たまには良いじゃないですか。仕事抜きでも。

怒られたら Have a nice day! と誤魔化そうと思います。

MOONEYES 広報 Pan スミ