Monologue

onomatopée

聞いてください。(おっ、なんか弾き語りっぽいスタートですね)

先日、朝出社して、日課のメールチェックをしていたんです。特に変わった事でもないですし、いつもの日常、もう寝起きの一番隙だらけの時間帯です。そしたら突然「カシャッ」って音がしまして。ビクっと驚いていたら、続いて「カシャカシャカシャ」って。「え?」と思うじゃないですか?そしたら「ツゥー、ツ、ツー」って音がし始めたんですよ。

難しいな擬音語で表現するのは。「トゥー、ト、トゥー」かな?

これもつい先日なんですけど、娘と擬音語クイズをしていたんでした。おそらく学校で習ったんでしょう。娘から「問題! マラカスの擬音語は?」と突然クイズが始まったので「ん〜カシャカシャかな」と答えたら「ブブー、正解はシャカシャカですー」って言われたんでした。……..いやいやいや、ずっと言い続ければカシャカシャもシャカシャカも同じだよー!!って言おうとしましたが、そんなずるい大人たちの屁理屈でマウントして何になる? 父としてそれでいいのかと自問自答し、ここはぐっと飲み込み「そかそかーシャカシャカだなぁ」と返したんですよそういえば。

いや、擬音の話はいいんです。擬音語下手でも生きていけるさ。話を戻しましょう。
まだリアルUSAラジオのBGMもかかっていない、静かなオフィスで、明らかに変な音が続くんです。

あれ?この音はもしかして….。(ザザザザザー、ゾクゾクゾクゾクー(これは僕の心の音です))

こ、これは….外付けのハードディスクドライブ(以下HDD)が壊れて逝った音じゃないか….。間違いない。何度となく聞いた外付けHDDが壊れ始めた時のあの不規則な音だ….と。今までの仕事のデータが吹っ飛ぶって一番怖いですからね。朝っぱらから大変な事になったと。もしも、デスクの横にパイプオルガンがあったら、髪を振り乱しながら、ありったけの鍵盤を叩いて”絶望”を表現していたと思います。ギャーン!って。違うなーギョワーン!かな。擬音語って難しいなー。

カシャカシャカシャ….ツ、ツゥー…..

もう絶望の1日のスタートです。ど、どのHDDが逝ったんだ…これか?いや、あれかな?もしこれだったら相当まずいな…。カシャカシャ…もう平常心なんかじゃいられないのです。ゾワゾワしながらブォーンと鳴る扇風機をオフにして音の発生源であろうMac のディスプレイの裏側にある HDD に耳を澄ましていきます。

ちなみに一番古いHDDは10年選手で、当初は、部署全員でそのHDDに繋いでデータを入れて保存していました。だからって言うのもおかしいんですが、普段仕事中に口にしないような名前をそれぞれのHDDにつけていました。ちょっとしたイタズラです。

「スミさん、データをHDDに入れておきましたー」「オッケー、どのHDD?」「(ちょっとはにかみながら)えーと”ロックンロール”(HDDの名前)ですー」「オッケーRock’n Rollねー」って会話が出来るんですよ。もう普段そんな言葉なかなか言えませんからね。しかも仕事中の会話でこんな事言えるのは、楽しかったんですよ。これが忙しくて修羅場になればなるほど業務報告が面白くなります。「何時までに”ロックンロール”に入るから確認しといて」もう全員ためらいもなくなってくるから語気強めに言えます。事情を知らない他の部署のスタッフが聞いて「え?今○○さん、いきなりロックンロールて言ってなかった?」ってなったら最高なんです。今は、サーバーや、Slack, Trelloでの情報共有手段がありますから、そんな会話の必要もありませんが、当時は無駄に色んな名前をHDDやフォルダにつけてましたね。他にもですね…あ、また脱線しました。HDDの名前なんて2021年の今どうでもいいんです。話を戻しましょう。

目を瞑って、ディスプレイの裏のHDDに全聴力を集中します。違うこれじゃない。どれだ?もう立ち上がって、更に耳を近づけ捜索範囲を拡げていきます。こっちか?違うここでもない。

あれ?わかんない?どこだ?ってゆっくり振り返ったら….

僕の1m後ろに鳩が4羽いました…..「ハトかーい!!!」 思わず腹の底から大きな高い声が出ましたよ。

僕のデスクの後ろの窓の位置がちょうど隣の建物の屋根の高さなんです。ディスクが止まったと勘違いした「カシャカシャ」って音は、ハトさん達がトタンの屋根の上を歩いていた音で、ディスクが壊れたと勘違いした不規則な「トゥー、ト、トルゥー」って音はただ彼らの鳴き声でした。「平和」の象徴であるハト達が僕のすぐ背後にいるなか、「この世の終わり」のような絶望のどん底にいました。お腹が急降下したみたいなあの感覚はなんだったんだ!

いや、でも「HDD壊れちゃいました!!」って、周りの皆に言わなくて本当に良かった….あぶねぇ…..。

色々技術的な部分を調べてもらって真相がハトでしたなんて判明したら、恥ずかしすぎてその日一日が強烈に長く感じたでしょう。

例えば僕が「この部分どうなっている?」とか、「ここ違っているんじゃないか」とか何事もなかったように業務の事を真顔で発言したとしても、「そうですけど、確かにそうかもしれませんよ?でもスミさん朝、ハトとHDD間違えてましたよね、プッ」ってなるでしょう。先程お話ししたHDDに出し入れしている時代なら「いやぁそうだね参ったぜ Rock’n Rollだ!」って言えたかもしれませんけど、今や AirDrop でデータを飛ばせる時代、なんも言えず、ただただ恥ずかしい!!

普段、隣の屋根にハトなんか絶対いないんですけどね。

そうか…そういう事か…

長い冬も終わり、本牧にも春が来て、そして皆が大好きな夏が始まったという事か。そりゃハトも朝から楽しいわけです。

と、2021年最初のブログの書き出しは、ただひたすらにつたない擬音語でどうでも良い日常をお伝えした滑り出しになりました。いやぁどさくさに紛れるにも程がある2021年ブログスタート、大変申し訳ございません。どうか怒らないでください。

でも、でもですよ?「夏が来ましたね」という事をお伝え出来た事が、何よりです。誠に勝手ではございますが、これだけで僕としては、相当満足でございます。
強烈にブログ更新を怠ってしまっておりましたので、アクセル全開で「明けましておめでとうございます」からちょっと未来の暑中お見舞いまで、フライング気味に一気にカバーしてみました。

あっという間に2021年も6月、はっ!って気づいたらもう半年近く終わってます。ご存知の通りこの一年ちょいで色々な事がひっくり返りましたが、変わらず色々動けているのは本当に有難い限りです。
年始から夏ぐらいまでは、仕込みの時期。既に発売開始になった企画もあれば、あんな事、こんな事、ひたすら撒く為の種を作っているような期間です。

6月22日には、2021年版の MOONEYES International Magazine も発売となります。
今回のブログの写真は、ページの都合上、泣く泣く掲載出来なかった写真でいきましょう。

やっぱり4輪の乗り物は奥行きのある空間でズドーンと走っている時にカメラを向ける事が僕は一番好きです。これが2輪のチョッパーならギョイーンって危うそうなカットが好きだし、人はフワフワ〜っと自然な表情の瞬間、食べ物は匂いや温度まで伝わってくるようなジュワーっとかトローリとか出来立ての写真が好きなんですよ。

おっと〜、仕事の話になると意外と擬音語イケる!

そもそも”Pan”って名前だって「パンパンに太った」って擬音語がルーツですからね。

落ち着いたら、ちょっと擬音語だけで仕事の会話してみようかなー。
「ちょっとここの部分さ、シュパッっといってみようかー。もうさーヒュンヒュン風が来る感じで」とか。

だめだ…両手で顔を覆いたくなるぐらい恥ずかしい。

やっぱり、地道にコツコツ前に進もう。

今後も宜しくお願い申し上げます。

MOONEYES 広報 Pan Sumi