もう寒い冬は
こりごりであります!!!
不肖Wildman、雪にまみれるウィンタースポーツなんぞ一切やりませんので、
寒いだけの冬というのは全く意味がない季節でありまして、とっとと終わって
ほしいのです、本当に・・・・
冬のメリットなんぞ湿度が低い為、ミニカーの保存に適しているということ
くらいしか思いつきませんな、ああ、やだやだ冬は・・・これからMooneyes Area-1前の本牧通りは、美しい桜が咲き乱れますので
皆様ぜひお越しくださいませ!!横浜市営バスの各型式を見ながらMoon Cafe
のテラス席で花見を兼ねてお茶するのは至福の時なのであります。
運が良ければ疾走する黄色いメッサーシュミットに遭遇する可能性もありますよ!!
バニラ・シェイクに舞い散る桜の花びら・・・ポエムだなあ・・・・
で、先週からのお話の続きで「イソ・グリフォ」であります。
冷蔵庫ビジネスで成功したイタリアのレンゾ・リヴォルタ様は、Wildman並みの
白昼夢を見たらしく、クルマの生産をおっぱじめてしまいました。
手始めに珍奇な豆自動車の「イソ・イセッタ」を作りましたが「こんなにうるさくて
ちっこいクルマはいや~だ!」とアイデア満載の可愛いイセッタをポンと投げ出し
ちゃって、フェラーリ・オーナーのリヴォルタさんは突然スーパーカービジネスに
参戦するという暴挙に出ました、素晴らしい!!
まずは62年に社長のお名前そのままの2+2クーペ「イソ・リヴォルタ」を
発表しました。でもあんまカッコ良くないですね、コレ・・・・
当初からイソは「ユーロ・アメリカン・ハイブリッド」というスタイルをとり、自社
製のボディ、シャーシにハイパフォーマンスなアメリカンV8を積むという作り方でした。
そしてお次は本格的な2シーターのクーペ、そう実車より先にミニカーで知った
あの謎の青いクーペ「イソ・グリフォ」の登場であります。
日本人には奇異に聞こえるグリフォって変てこな名前は、半分が鷲で半分が獅子
の伝説上の怪物である「グリフォーネ」から来ています。エンブレムもそんな感じの
怪獣デザインです。
63年のトリノ・ショーでプロトタイプが発表されたグリフォは、ベルトーネ時代の
天才ジウジアーロがデザインした優雅なボディを持ち、当時の C2コルベット
スティングレイ用の4ボルト・メイン327cu.in.スモール・ブロックV8エンジン
(5,4リッター)を組み合わせていました。350hpのパワーを持ち、最高速度は
262km/hを誇った新型スーパーカー「グリフォGL350」は65年から生産が
開始されました。
で、私が実車のグリフォを初めて目撃したのは1986年、Mustang欲しい病に
掛かった頃でした(Wildman’s Blog 2007年2月分参照)
埼玉のAというアメ車屋さんにクルマを物色しに行った時に、沢山のMustangや
Camaroに挟まれてくたくたにくたびれたシルバー・ボディのバンパーレスの
イソ・グリフォを発見しました。
「グ、グリフォだ、何でこんなところにあるの???結構欲しいかも、これ」と本気で
悩んだ22歳の世捨て人でしたが、いくらなんでもTE71カローラの次の愛車が
イソ・グリフォというのも無茶があり過ぎました・・・・本当にバカですね。
で、当然当時物ミニカーでお勉強となります。グリフォはその頃やっぱり話題性が
あったようで、小さなマッチボックス以外にも標準スケールでちゃんとミニカー化
されておりました。
本家イタリアの”POLITOYS”製のグリフォはEシリーズという同社の中では廉価
バージョンのミニカーですが、気合いを入れて作ったので見事なプロポーション
を持っています。60年代当時日本にも輸入され550円で販売されていました。
メタリックレッドの方が初期バージョンで、実車と同じデザインのホイールを持って
いますが、シルバーの後期型はホット・ホイール(だから、ウィールじゃありませ
ぬ)
に影響されてしまい、無残なデザインの「走る」スピード・ホイールが装着されて
います。やっぱり実車もミニカーもホイールと車高がキモですよね・・・
お次はイタリア製の”EDIL TOYS”というブランドのミニカーです。エディルという
ミニカー・ブランドを知っていたらそれはかなりの変態で、60年代後半に一瞬だけ
作られていた幻のミニカーなのです。たった13種のミニカー発表し、あっさりと
消えたエディルでしたが、当時日本には奇跡的に極少量が輸入されておりました。
その生き残りがこのシルバーのグリフォさんであります。よくぞ生きていた・・・・
ドアー、ボンネット、トランクと全てが開閉するアクションを持ち、特徴的なグリ
フォの二分割グリルやカンパニョーロのマグネシウムホイールも見事に再現された
傑作ミニカーであります、カッコいいぜ!!
で、今度は実車の話に戻りまして、グリフォはその後パワーアップを図り68年には
7リッターのシボレー・ビッグブロック427cu.in.エンジンを無理やり積みこんだ
スーパーマシン「グリフォ・7リッター」を発表します
(Grifo 7litre)
390hpを誇ったコイツは、ウソかマコトか大胆不敵にもカウンタックもビックリの
最高速度299km/hを豪語しておりました!!!(ほとんどウソ・・・・)
無理やりデッカい7リッターエンジンを積んだので、ボンネットは「2階建て」とな
り
アメリカン・マッスルカー顔負けのデザインとなりました。
ちゃんとこの7リッターも当時物ミニカーになっておりました。
英国は”Corgi Toys”製のGrifo 7litreはオモチャのようなスピード・ホイール
以外は素晴らしい出来で、ボンネットを開くとそこにはちゃんと427エンジンが
搭載されているのです。当時日本では700円で売られていましたね。
で、やっとこMoon Equipmentとイソ・グリフォの関係なのです。当時、ある顧客
がDean Moonの元にグリフォのチューン・アップの相談を持ちかけました。
ハイダラーカーのグリフォをいじるのも凄い事ですが、Deanはこれに応じて、
オリジナルの327エンジンを新しい350に積み替え、ウェーバー48mm IDA
4連装にMoon Racing Camを組み込み、何と491hpをたたき出したのです。
Road & Track誌のテストでOCIRに持ち込み12秒台でクオーターマイルを
走り抜けたそうです。さすがだぜDean Moon!!
それにしてもカッコいいな、Moon Yellowのイソ・グリフォよ。黄色いミニカー
がたまらなく欲しくなって来ました!!
で、話は元に戻ってその後のグリフォはさらにデッカイ排気量の7,4リッター
シボレー454cu.in.ビッグブロックを搭載した”Can Am”
(画像のクルマがカンナム、なんてカッコいい名前なんだ・・・)やタルガ・トップ仕様のグリフォSなんかを作
りましたが、排ガス規制でシボレーのエンジン供給がダメになりました。
フォードの351クリーブランド・エンジンを積んでごまかしましたが、最後はとどめ
のオイルショックが訪れてまい、イソの命運は尽きグリフォもサヨウナラとなって
しまいました・・・・悲しいな、レンゾ・リヴォルタさん・・・
マッチボックスの謎の青いクーペから始まって、86年に初めてグリフォの実車に
遭遇し、その間ミニカーをこつこつと集めて来て、何だかんだでイソ・グリフォと
いうのは私にとって重要なクルマなのかもしれません。やっぱ欲しいな。
それにしてもDean Moonの手掛けた黄色のグリフォはいま何処・・・・・欲し
い・・・




















