最近やっと気温が上がり始めまして、Moon Garage内でのPaint作業も多少は楽になって来ましたね。
お店に来たお客様から「こんな寒さの中で作業して大丈夫なんですか?」などと心配そうに優しいお言葉を掛けて頂きますが、私は全く大丈夫であります、ハイ!!
長年に渡り外で作業してきた事により鍛え上げられた肉体は、シンナーとミニカーで多少感覚がおかしくなっている事と重なり、皆様ほど寒さを感じない様な気が致します、たぶん・・・
なので皆様どうぞご心配なく変態を見守って頂き、Garageにお越しの際は気軽に声を掛けて下さいませ。
で、よくお客様や雑誌編集の方々から「Wildmanはクルマは何が一番好きなのですか?」質問されるのですが「ハイ、1/43のミニカーが一番好きであります!!」と答え、そこで会話が終わってしまうのです、本当にすみません・・・
「あの、ミニカーじゃなくって実車の話で・・・じゃあ今後欲しい車は何ですか」と会話が再開されると「ハイ、やっぱ一番欲しいクルマはタトラであります!」と元気よく答えてしまい、またもや会話が続かなくなってしまいます、なんでだろ・・・
「多寅、たとら、他戸羅???」とお客様の頭の中はこんがらがってしまい、これはやばいと思い「あ、今のはジョークです、本当はACコブラ289とかトヨタ2000GTなんかが欲しいですよね、ワハハハハ」となって普通に会話は盛り上がって行くのでした、目出度し、目出度し・・・
そう、私の夢のクルマはチェコスロバキアの至宝「タトラ」様なのであります。
「やっぱり、こいつ頭おかしいや」と思われるでしょうが、私はタトラこそ生まれながらのRod & Customだと認識しており、BIGに当選したら車高を落としただけで、あとはノーマルのままでGrand National Roadster Showあたりに持って行って並べたいくらいなのです、カッコいいぜ!!
旧チェコスロバキアで生まれたTatraは1800年代から車を作っていた歴史のあるブランドで、機動車やヒコーキまで作っていたという凄い会社なのです。

特に1930年代の「流線形」を取り入れた自動車のデザインは実に素晴らしく、当時のアメリカ車なんかにも決して負けない物だと思っています。

これらのタトラ77シリーズのデザインは強烈でして、その後ろ姿なんか形容のしようがなく、センターに生えたフィン(背びれ)はその後の50'sのアメリカ車なんか完全にぶっ飛んでしまいます、これじゃヒロハタ・マーキュリーさえも太刀打ち出来ませんな・・・・

そして戦後のこれらタトラ87やタトラプラン600は流線形を保ちながらもこの様に少しおとなしいデザインに変わって行くのです。

が、後ろ姿は相変わらず強烈でしてこの有様です、ああ美しいな・・・・

さらに1950年代に入るとまさに”Lead Sleds”としか思えないニューモデル「タトラ603」発表しました。これが欲しいのです私は!!
「2,5リッター空冷V8エンジン!!」をリアに搭載する世界最大のリアエンジン乗用車の603は全長5mで車幅は1,9mとアメリカンなサイズですが、前後のオーバーハングが1mを超えているという変態バランスで気持ちの悪いプロポーションをさらに気持ち悪くしています、何てカッコいいんだろ・・・・

何と言ってもデザインのハイライトは顔面にありまして、見ての通り「三つ目」なのであります、全く信じられないくらいアヴァンギャルドなのです。
「何もかも流線形だぜ!!」というコンセプトの元に作られたので、ヘッドライトを三つ並べてそれを一枚物のレンズでカバーして曲面にするという手法は、最近のLEDヘッドライト全開のドイツ車たちも一発で吹っ飛ばしてしまうような素晴らしいデザインです。
リアのエアスクープなんか、空気どころか鳥や空き缶までをも吸い込んでしまいそうなデカさなのです、全く良く冷えるぜ!!
殆どチェコスロバキア国内だけで流通していたタトラ603でしたが、新車当時日本にも上陸していたのですな。

この通り我が書斎(ただの戸棚)から引っ張り出して来た2冊の本は、ついこの前の1959年と1964年に出版された「月刊自家用車」とベース・ボールマガジン社時代の「CARマガジン」であります。

モノクロページで紹介されてますが、チェコ大使館の車でして「外」ナンバーが燦然と輝いております。

フロントには巨大なトランクが有るのでここに巨大なエアサスのタンクを積めば車高もバッチリ決まるし、室内なんてそのままでもKustomなのであります。
あまりにも美しいタトラ603でしたが、マイナーチェンジを繰り返して、気持ち悪さの方にも拍車が掛かってしまいます。

この様にヘッドライトが4つになりまして、真ん中に寄ったり端っこに行ったり異型ランプまであったりと、妖怪さながらの姿を呈して行くのでした・・・・

1975年まで20年に渡り20000台以上作られた603でしたが、その後普通の?デザインのこちら613にバトンタッチされます。
でもこの613もとっても変で相変わらずの空冷V8はコッグドベルト駆動の3,5リッターDOHC 4カムとなり、またもやリアに搭載されてました・・・
チェコの人って本当に凄いですね。
で、やっと当時物ミニカーの話と行きたい所ですが、残念ながら603は当時ダイキャストミニカーとしては作られず、チープなプラ製の物が数点出ていただけでした、しかもチェコスロバキアで・・・

しかし同じ東欧の共産圏「東ドイツ」にて巨大なリモコン・モデルが作られていたのです。もちろん「ベルリンの壁」が無くなるずっと前の事なのでした。

”PRESU”というさっぱり分からない東ドイツのオモチャメーカーが全長30cmを超えるこのデッカイモデルを1960年代に作っていました。

強烈な603のプロポーションを見事に再現し、色もBarris Kustomもビックリの強烈グリーンになります、東ドイツなのにカリフォルニアしてるなあ・・・・
何が凄いって単一電池を入れてリモコンを動かすと走り出し,クラクションもビービーと鳴って、しかも三つ目ヘッドライトがビカッと点灯するという豪華強烈アクションを備えているのでした、完動品に感動であります!!実家からは勘当されそうですが・・・・

箱もついてて、中には説明書も入ってるのですが、全く文字が読めず何が書いてあるのかサッパリ分からない状況なのです。

しかしですね、この出荷時の保証書か証明書みたいなものには日付けが記されておりまして、ついこの前の1965年2月24日にこの個体は東ドイツの工場をラインオフしているようです。たったの47年しか経ってまいせん、新し過ぎますね・・・・
このオモチャだけでも満足出来そうなのですが、やっぱり生まれながらのRod & Customであるタトラ603はマニアだったら一度は所有してみたいクルマなのであります、So. Calも目じゃねえぜ、CQQQL!! Tatra